【 人財育成 】「長所を伸ばす」の前に行うべきこと
長所を伸ばすことで問題が増えたら?
人育てをするにあたって、「短所を改善すること以上に長所を伸ばすことが大切」と言われます。
例えば、コツコツ自分のペースで継続することが得意な反面、仕事が遅く、度々納期に間に合わない部下がいたとしましょう。
上記の「短所を改善するよりも長所を伸ばす」に当てはめてみると、仕事が遅いことを改善するのではなく、長所である自分のペースで継続する面を伸ばしてあげようということになります。
では、実際そのような指導をしていった場合、現実としてどうなるでしょうか?
この部下は、自分のペースで継続することは得意ですので、ここを伸ばしてあげることで、さらに継続力も強くなるでしょう。
しかし同時に、自分のペースで継続することを伸ばしているわけですから、より仕事が遅くなるという弊害も出てくるかもしれません。
すると、今まで以上に納期遅れが発生するということも大いに考えられます。
さて、ここで質問です。
今まで以上に納期遅れが発生している部下に対して、それでも得意な面を伸ばすことに注力していけばよいのでしょうか?
辻竜の答えは「No」です。
確かに、長所を伸ばすことは大切です。
しかし、納期遅れが増えるということは、仕事をするうえでは大きな問題につながります。
では、「短所を改善するよりも長所を伸ばす」という方針は、そもそも間違いだったのでしょうか?
こちらについても、辻竜の答えは「No」です。
「短所」と「欠点」は別もの
ただ、ここで一点言えるのは、「短所」と「欠点」は違うということです。
短所と欠点は、辞書の上ではほぼ同じ意味ですが、辻竜の間では別物として捉えています。
例えば、自由形は速いけれど平泳ぎは遅いという水泳選手がいたとします。
この場合、速く泳げない平泳ぎは短所であり、長所である自由形を伸ばせばいいという考え方になります。
しかし、もしもこの選手が、「100mを泳ぎ切る体力がない」となるといかがでしょうか?
いくら自由形が速く泳げたとしても、100mを泳げなければ試合どころの話ではありません。
この場合、100mを泳ぎ切る体力がないことは欠点となり、放っておいてはいけない事項になりますよね。
そう、辻竜の間では、短所はあくまでも短いだけで最低限のレベルはクリアしている状態で、欠点は、そもそも欠けているため、最低限レベルに達していないという考え方です。
長所を認めつつ、まずは「欠点」を直す
短所の改善よりも長所を伸ばすという考え方には同意しますが、最低限レベルに達していない欠点は直すべきだと思っています。
「短所を改善するよりも長所を伸ばす」という育て方はとても素晴らしい育て方です。
ただ、短所と欠点を混同してしまい、最低限レベルに達していない欠点を放っておいては、いつまでたっても人の役に立てる「人財」にはなれません。
短所と欠点を見極めて、欠点に対してはしっかりと改善をすること。
それによって、「短所を改善するよりも長所を伸ばす」という育て方が、本当の意味で意義あるものになっていきます。
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