【 人財育成 】Excelの間違った使い方が会社の利益を減らす!?
様々な仕事で幅広く使われているアプリケーションExcel。
実は、このExcelを間違った使い方をすることで、会社の利益を減らしてしまっているケースが非常に多いことは意外と知られていません。
今日は、多くの会社で見逃され知らないうちに利益を損失している、「Excelの間違った使い方」をご紹介します。
問題点①:Excelを「表計算ソフト」として使用していない
Excelは元々「表計算ソフト」として開発されたソフトです。
ですので、Excelが最も得意としているのは「表計算」、つまり「表を作成すること」と「計算」をすることです。
ところが、Excelを「表作成」ソフトとしてのみ使い、肝心の「計算」の分部を活用していないケースが非常に多く見られます。
次の画像は、その具体例です。
(かつて実際にあった資料を何か所か置き換えたものを事例として掲載します)
Excelを表計算として使っている方は、この資料の作り方の問題にすぐ気付かれるでしょう。
このExcelで作られた資料の問題点は、ピンク色のセル「F:246」に挿入されている計算式、
=(91/(250/30)/7)
という部分です。
手入力によって膨大な無駄な時間とミスが発生する!
Excelは計算式やセル参照を活用して自動計算させることで、計算ミスや入力ミスの削減と入力時間の短縮が大幅に図れます。
つまりExcelの自動機能を使うことで、
① ミスの削減に伴うムダな時間の削減による生産性の向上
② 資料製作時間の短縮による生産性の向上
という、会社にとっての利益創出につながります。
上記の例で言えば、
=D246/(C246/E246)/7
というセル参照を使用することで全て自動計算できます。(本当は7という数字もセル参照に置き換えられますね)
しかし上記の資料では、
=(91/(250/30)/7)
と、材料単価を計算するために必要な数値を「全て」手入力をしています。
ちなみにこの資料では、上記以外にも40行に渡りそれぞれの材料の原価計算をしているため、セル参照の計算式であればコピー&ペーストで複写出来るところ、なんと40回もの手入力を行っていることになります。
そして、手入力を行うことで入力ミスが発生する可能性が増えます。
さらには、材料の使用量や購入金額に変更が出て資料を作りなおす場合、上記の資料の作り方では、全ての行で手入力をする必要が出てきます。
当然、時間も40倍以上かかりますし、入力ミスをする可能性も格段に上がります。
実際、この資料では後々入力ミスや計算ミスが繰り返し発生し、その都度チェックをしている上司と資料を作成している部下の双方で、無駄な時間を費やすこととなってしまいました。
問題点②:Excelの工夫の仕方
セル参照を活用することでExcelの資料作成時間と正確性は格段に上げることができます。
しかし、先ほど解説した「=D246/(C246/E246)/7」という計算式を入力すると、実際にはエラーが表示されてしまいます。
これはExcelではよく見られるエラーの一つで、計算式に数値と文字が混同されることで発生するエラーですね。
この資料で言えば、材料内容量と使用量の単位g(グラム)という文字を数字と一緒に入力したことで、結果的にセル参照ではエラーになってしまいます。
しかし、ほんの少しだけ工夫をすれば、このエラーを回避しながらもg(グラム)という単位もしっかりと表記できますよね。(その具体的な方法はぜひ考えてみてください)
このように、Excelを使う上でとても重要な工夫の仕方を知らなければ、結果的にエラーを回避するために手入力をするという方法に頼ってしまいます。
実際、この資料を作られた方ご自身も、それにより資料の作成に膨大な時間がかかり、さらには入力ミス、転記ミス、変更漏れによる数値の間違いが発生し、さらなる問題(原価の計算ミスによる利益減少)へと繋がってしまいました。
問題③:見た目を気にしない
自分一人だけで使用する資料なら良いのですが、他の人が目にする資料を作る場合、レイアウトや体裁、文字の大きさや色、太さなど、見た目の部分を意識することがとても大切です。
以前書いたブログ「付加価値 or 負荷価値?」でもお話ししたとおり、見やすい資料と見づらい資料では、読む側の負担や時間に大きな違いが生まれます。
また、資料を読む人がレイアウトや体裁をとても大切にする人の場合、見た目が美しくない資料というだけで、資料自体を読まないということも多々あります。
この資料では、「G:246」の計算式部分が罫線をはみ出てしまっています。
体裁を気にしない人は全く気にしませんが、体裁や見た目を重視する人にとっては、罫線をはみ出た状態の資料に対して、非常に嫌悪感を覚える人もいます。上記の資料は
実際、資料の見た目が悪いことで商談自体が破談になることもあります。
そのことを知っている経営者や上司ほどこのような基本部分を疎かにすることを良しとしませんし、このような資料を作り続けていれば、当然評価も下がる事でしょう。
利益を生み出すためにも基本をしっかり習得する必要がある
今回の事例のように、Excelの基本中の基本が疎かにされているケースは驚くほどたくさんあります。
Excelは仕事の中で数多く使われているツール(道具)であるからこそ、間違った使われ方をすれば無駄な時間や不必要なミスや間違いが起きるのは当然ですよね。
ところが現実には、このような部分にはあまり目が向けられていませんので、個人任せになっているケースが非常に多く見られます。
そして多くの場合、Excelの基本をしっかりと勉強をすることが面倒なため、残念ながら改善されないままになっていることが本当に多いのが現状です。
人財育成をしていくうえで、このようなExcelの基本中の基本部分を再度見直すことは、会社の利益を生み出す上で非常に効果的です。
とは言え、eラーニングや研修受講の機会を与えるだけでは不十分です。
製造業やサービス業では、製品や仕事の質を高める為に一つ一つのやるべき動作や仕事の流れを確認し、正す役割の人が存在します。
同じように、 実際に作られたExcelの資料を確認し、「正しい使われ方がされているかどうかを正しく確認する人」の存在が必要です。
このような取り組みにより、結果的に無駄な資料を作る時間が削減され、結果的に力を注ぐべきところに力を注げるようになることで、より利益を生み出す仕事に専念できるようになります。
もしくは、Excelを正しく使えるかどうかを評価基準の一つに入れる。
それぐらいExcelの間違った使い方による利益の損失が多いということを、是非一度確認をされてみるのもよいかもしれませんね。
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